東埼玉バプテスト教会




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『斧の刃を磨く時間』



「鉄が鈍くなったとき、人がその刃をみがかなければ、力を多くこれに用いねばならない。しかし、知恵は人を助けてなし遂げさせる。」「もし斧が鈍くなったとき、その刃をとがないと、もっと力がいる。しかし知恵は人を成功させるのに益になる。」(箴言10:10)

アブラハム・リンカーンは「木を伐るのに8時間もらえるのなら、そのうちの6時間は斧の刃を磨くのに使う」と言いました。これはリンカーンがよく祈り、御言から知恵をいただいたからこそ出てきた言葉です。この「斧の刃を磨く時間」こそ、主なる神に祈り、その知恵を御言のうちに求める時間です。
私たちはついつい、毎日が忙しく、やることがたくさんあればあるほど、そのことばかりに目がいってしまいます。しかし、その状態で目の前のやるべきことに取り組むなら、それは斧の刃がとがれておらず、無駄な力を使ってしまうことになるのです。毎朝、神さまの前に静まり、一つ一つのことに適切に対処するための知恵を求めること、そしてその力を神さまから直接いただくことによって、私たちは豊かな実を結ぶことができるのです。
「斧の刃を磨く時間」、すなわちディボーションが充実していく、神さまとの間に健康的で正しい関係が築かれていく時、私たちの生き方が変わっていきます。隣人との関係も変わっていきます。

三浦綾子さんは商売をやっていたことがありますが、その性格の良さが幸いして、町中の人がその店に集まるようになりました。普通の信仰者であれば、「あぁ、神さまの恵みによって商売がうまくいっているのだ」と思います。ところが信仰者のご主人・光世さんは「他の店にお客が来なかったらどうする?」と言って、周囲の店と共存するための提案をし、一部の商品しか置かないことにしたのです。そして自分の店に置いていないものを求めてきた人には「あのお店に行きなさい」と違う店を紹介したのです。
それによって綾子さんには時間的に余裕が生まれ、その時間であの『氷点』を書き始めていくのです。その先の豊かな実りについては書くまでもないでしょう。今週も、生活の慌ただしさに振り回されることなく、まずは「斧の刃を磨く時間」、主との豊かな交わりを深めていきましょう。